二人の若い経営者がある都心で開かれた異業種交流会で出会い、意気投合した。
横浜で国際特許の法律事務所を営む濱谷誠と札幌でITベンチャーを経営する下村広行。
どちらも若くして事業を興し、今は40代前半で大きな成功を収めており、ある程度まで経営を任せることのできるようになった右腕がいた。
どちらも経営者としては成熟する段階に差し掛かっていた。もちろん、ふたりにとってここまでの道のりは決して平坦なものではなかった。
むしろ、険しかったと言った方が当てはまるだろう。ふたりとも、苦しい道を通ってきた者だけが持っている、心の落着き、芯の強さを身に着けていた。
そのような共通項がこの日であったばかりの二人を古くからの友人のように打ち解けさせたのだ。


「よかったらタメ口で話さないか?」と濱谷が持ちかけると「いいとも」と下村が快く応じた。
この二人はビジネスパーソンとしては共通する部分が多くあったが、プライベートでも共通する部分があった。どちらも小学生と幼稚園の息子と娘がおり、結婚して10年ほどが経過していた。

しかし、この二人の家庭での顔はまったく違ったものだった。

「おれは本当に幸せもんだよ。今まで頑張ってこれたのもかみさんのおかげだな。」
濱谷はホテルの最上階のラウンジで遠くの夜景を眺めながら、自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
「資金繰りが苦しくなって駆け回っていたときも、家に帰ってかみさんにいやされると、こいつのためにまた頑張ろうって、気持になったもんだよ。」
「大きな得意先と契約した時はおれ以上に喜んでくれる。またこの笑顔を見たい、って思うとモチベーションが上がるんだ。
経営者にとって一番大事なのはモチベーションだからな。」



「そうか、うらやましいよ。」
長い沈黙の後で、下村がうめくようにつぶやいた。

「恥をさらすようだけどさ。おれは逆だよ。家に帰ると、癒されるどころか、力が奪い取られるのを感じるよ。」
そう言って、じっと自分の手を見つめている。

「でかい得意先がつぶれて損失を計上したときも、家に帰るともっと落ち込むから明け方まで飲んでたよ。」
「どんなにおれが稼いでほしいものを買ってやっても、あいつの思い通りの家を建ててやっても、誕生日にボルボを買ってやっても、次の日にはもう不機嫌になるんだよ。
家に帰ってかみさんのイライラした顔を見ると自信を失うんだよ。自信を失ったらモチベーションどころじゃないよな。」



「そうか。」濱谷は黙って考えていた。

しばらく考えた後、下村の目を見つめて行った。

「お前、覚えてるか。おれたち、ビジネスには原則があるってさっき言ってたよな。それと同じように、夫婦の関係にも原則があるんだよ。実はおれも昔、その原則をある人から教わったんだよ。お前たち夫婦もそれを知ったら変わると思うぜ。」
「実は、おれたちも離婚を真剣に考えるところまで行ったことがあるんだよ。おれたちは結婚して3年ぐらいはとても仲良くやっていた。でも、上の娘が産まれてから、ケンカが絶えなくなったんだ。きっかけは簡単なことだよ。出産してかみさんの体調が変わったのさ。とくに夜の夫婦関係に関してね。わかるだろ。」

「おれはかみさんと寝て癒されたい、満たされたいのに、かみさんは育児の疲れと体調の変化で全くその気になれない。そんなことがちょくちょくあって、おれの方も前みたいにかみさんを思いやることができなくなってしまったんだよ。」当時を思い出して濱谷の表情も険しくなった。下村は食い入るように聞き入っている。
濱谷はつづけた。

「ケンカしているか、冷戦状態かのどちらかだった。おれは夫として自信を失い、だれにも相談できずフラストレーションはたまる一方だった。」

「そんな時、ネットである夫婦カウンセラーのページに出くわしたんだ。何かの役に立つかもしれないと思って、無料のメールマガジンにメールアドレスを登録した。その時はそれがおれたち夫婦の関係を救うことになるとは全く思いもよらなかったけど。」
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P.S.今あなたが読まれたストーリーは実話をもとにしたフィクションです。濱谷誠が登録したメールマガジンをあなたも読むことができます。ご夫婦の関係を真剣に良くしたいと思っておられる夫のためのメールマガジン、購読したいと思われたら、メールアドレスを入力してください。

 

 

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